通勤中、新宿駅で乗り換えしていると
KIOSKにこんな張り紙がしてあった。
「タバコあります!」
タバコは吸わないが、とても頼もしく思えた。
「そうか!タバコあるのか!よかった!」
という気分になった。
そんなうれしくないものでも、
デカデカとした文字で、
さも「でかした!」と言ってもらいたげに
書いてあったら、
うれしくなっちゃうのではないだろうか。
俺はふとそう思ったのだった。
<ケース1>ラーメン屋に「七味あります!」
たまにラーメン屋に七味唐辛子が置いてある。
あっても何もうれしくない。
だってかけないから。
蕎麦屋、うどん屋との有難みとはレベルが違う。
しかしラーメン屋の窓にデカデカと
「七味あります!」
と書いてあったら
「おっ、七味かけられるんだ!」と一瞬錯覚するかもしれない。
いや、しないかな。
<ケース2>牛丼屋に「消毒液あります!」
すき家によく行くのだが、レジのところに消毒液が置いてある。
使っている人を見たことないが、
「消毒液あります!」と書かれていたら、
「助かった!」と思うかもしれない。
いや、思わないか。
<ケース3>トイレに「うんこあります!」
「やった、うんこだ!」
…とは思わないだろ。
ということで、俺の仮説はまったく成り立たなかった。
今日は肉そばを作って食べた。
麺を茹でるとき、
俺はなるべくカッコいい表情をして
鍋の中をかき回した。
ラー油を利かせたツユを作った。
最初はむせるが、慣れると止まらない。
「へい、そばおまち」
頭の中で唱えて食卓に運ぶ。
茹でた豚肉と共に。